2023年の終わり。

今年もあと僅かで暮れようとしている。

自分としては、なかなか思うようにいかないことも多い。

それでも、他の人から見たら自由な人だと思われているのかも知れない。

今日のようにただ夜ご飯ができるのを待つ、なんてことは、そうないことではある。

だいたい、余計な手伝いをして、昨日のように視界の外にあった足元の溝に落ちて、怪我をするのも迷惑になるわけで。

厳しいお言葉をいただくのは、ありがたい。

来年はひとつ新しい試験を始める予定。

今年は、新しい家族(犬)が増えたこともうれしい年でした。

莫窯 上原治夫さん(福岡県糸島市)を訪ねて

涙の小鉢

今年は、この涙のシリーズの一年でした。
初めて3Dプリンタで内型を作って成形してみました。
もともとそうしようと思っていたのではなく。

・頼まれた形状がはっきりしていたこと
・深さがあり、今までの型の素材では作りにくかったこと
・隣町の栗山煉瓦創庫くりふと@kuriyama.kurift 内にあるファブラボで、指導を受けながら、3Dcadでデザインをして、3Dプリンタで出力できたこと
・今年の夏は暑くて、エアコンのあるファブラボに行きたくなったこと

など、条件が重なってのことでした。

頼まれたサイズは、写真のサイズ(小鉢程度)の3倍。
小さなサイズは、試し用に作成しました。
大きな型は、3Dプリンタでの出力に1日以上かかりました。
成形も大きいものは苦戦しましたが、なんとか納品できてよかったと思っています。

左上から、
ほうれん草のお浸し
茹で玉子
かぼちゃのポタージュ
小豆の葛湯、八朔
鰊漬けと人参の葉の黒胡麻和え、にゅう麺
ポテサラ
牡蠣にレモン汁
ヨーグルト 蒸しりんご添え

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馬追の自然いろいろ

〈馬追の自然全28種の飯碗〉
春から、
福寿草・水仙・エンゴサク・延齢草・渡り鳥の群れ・蓬・蒲公英・鈴蘭・土筆とスギナ・カタバミ、
夏は、
韮・石楠花・赤詰草・ほおずき・オクラ・ガクアジサイ・水引草・松葉、
秋へ、
栗、稲穂・露草・トンボ・山葡萄・錦木・芒・野菊・吾亦紅・山並み

素材が溢れる山の恵みに感謝🍀

これらのお茶碗は、今年4月に旧北長沼小学校跡地に開校した「まおい学びのさと小学校」に箸置きと共に寄附させていただきました。

食育の一環として、ものづくりの素材としてお役に立てていただければ幸いです。

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まおい学びのさと小学校

想い

今朝の馬追丘陵は、霧に包まれておりました。
バス停に向かう道は川沿いにあり、霜が降りるこの季節は朝霧が発生することが多く、防風林と田畑に霧がかかると、とても美しく幻想的な風景が現れます。

バス停に送った後の帰り道は、登る陽が霧に包まれて何とも言えない柔らかい光に覆われます。まるでカシミアのストールを身につけた時のように。

余りにも美しい風景は、停車して撮影するのを許してくれません。霧が深く、停車するのが危険だからです。山登りをして、条件がよくない時に引き返す判断ができるかどうか、一線を超えて先に進んでしまうか。

美しいもの、手触りのよいもの、大切なものは、写真には撮れないけれど、それを継承したり、話し合ったり、共有することにはとても意味があると、再び感じる朝の始まり。

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解禁

父が後半に取り組んでいた仕事として、メロンの蔓や葉を自ら燃やして作った灰を精製したメロン灰による釉薬づくりがあります。植物の灰を釉薬に使う灰釉でもメロンを使う方は少ないと思います。父がメロンを使うことになったきっかけは、東京で個展をした時に、窯のある住所が北海道夕張郡長沼町ということで、夕張ならメロンをやってみたら?という提案だったとのこと。

同じ夕張郡栗山町の農家さんの協力で、厳密には夕張メロンではないもののキングメルティという夕張メロンと同じ品種のメロンが収穫された後、蔓と葉を乾燥させて、専用の炉で燃やすことで得た灰です。収穫後の作業で、ビニールハウスの中で栽培されたものを集めるため、北海道とはいえ、とても暑い中での作業でした。

そのメロン灰を父は陶器と磁器の両方に使い、磁器の方は「メロン灰青白磁」と名付けました。偶然にも、その色合いが薄く緑がかった色で、メロンのイメージと一致することから、「メロンだからメロンのような色になるのですか?」などと聞かれることもありました。これに関しては、メロンの表面の色が高温で焼いた陶磁器の色にそのまま現れることはなく、土と釉薬に含まれる元素の組合せや焼成温度や焼成方法(酸化焼成か還元焼成)により決まります。

天草陶石にメロン灰の釉薬を掛けた「メロン灰青白磁」は、後半の父の仕事の主軸となっていきました。今、私が使っているりんご灰釉は、父がメロンの灰を使うようになる前に使っていたものです。ゴールデンウィークには、近所の農家さんにトラックを借りて、冬の間にりんご農家さんが剪定したりんごの枝を薪ストーブで燃やした後の灰をもらうため、仁木町や余市町のりんご農園を何軒も回って灰をいただきました。子どもの頃にどこかに遊びに連れて行ってもらった記憶はなく、このゴールデンウィークに灰をもらいにトラックで遠出をする、というのがちょっとした楽しみでもありました。

そんな灰は、集められ、質のよいものを水簸し、釉薬の原料として保管できるように処理していました。

父が病気で作陶できなくなった後、器づくりを始めるきっかけとなったのは、これらの灰の存在でした。

とはいえ、まずはりんご灰を安定して使うことができるようになること。そして、もうすぐ平均余命から人生の半分を迎えようという先日、父からメロン灰の使用許可が出た。いずれはやりたいと思っていたので、驚きの一瞬。そう簡単にはいかないだろうけれど、楽しみです。

メロン灰青白磁
残雪の無意根山