立ち止まる→考える→軌道修正
しやせまし、せずやあらましと思ふ事は、おほやうは、せぬはよきなり。
(一つ。やろうか、やめようか迷っていることは、通常やらない方が良い。)
吉田兼好 徒然草 第九十八段
毎年季節が巡るのと同じように、やってくるサイクル。
成形→乾燥→素焼き→施釉→本焼き
この周期の間に、気を遣うこと「丁寧に」「美しく」「大切に」が抜け落ちると好きになれなくなってしまう。
たくさんはできない、いつまでできるかわからない。
今できることを形にしたい。
7月の本焼きは、今までで一番壊滅的だった。
初めて作った磁器の楕円皿の形が良くなくて、ほとんどが撓(たわ)んでしまった。撓む〜の意味のとおり、お皿の腰の部分が高温(1270℃)で焼成した時にしなやかに曲がってしまい、棚板に釉薬が張り付いてしまった。
運が悪いことに、今回は窯の中の温度ムラを調べる目的で、同じお皿ばかりを一度に焼いていたから、全ての段で、棚板に張り付いた釉薬を削ることになった。
素地の変形が原因か、釉薬の調合が原因かは不明ながら、ほとんど全てに貫入(ひび割れ)が入ってしまった。
というわけで、釉薬の調合試験を範囲を広げて再度行うことと、以前他の釉薬でも過去の窯の焼成温度との温度差があったことから、焼成温度を上げることになりました。
8月末には、次回行う釉薬の試験の計算を終え、
21種×3パターン=63個のテストピースの成形をして、夏場に行っている轆轤成形で、ご飯茶碗と煎茶碗を作成、「萌木」と呼んでいた紋様を入れて、表面を削ったりしていた。
9月は夏の疲れが溜まったのか、10月上旬まで思うように作業できない日が続いていた。サイクル、という観点で考えれば、動いていた分、動けない日もやってくるのは当然だけど、動けない日が続くと気持ちが辛くなってくる。
9月に予定していたテストピースなどの素焼きがのびのびになり、そうしているうちに、成形していたご飯茶碗などのアラが目につき、整えているうちにあっという間に寒くなってきた。
そして、11月5日。 久しぶりの素焼き。
スカスカの窯になるかと思っていたら、案外いい具合に埋まっていた。
少し遅めの10時半過ぎにスタートし、22時半過ぎに終了。
色褪せてしまった木の看板を掘り直したり、甘酢を作ったり、満月を眺めながら。 終わってしまえば、たいしたことはない。
次のサイクルへ。

