釉薬の再試験

10月末の雪に冬の訪れを急かされて、今週は、計画的に作業を進めることができた。

3パターン、長石と灰の調合比率を変えた釉薬の試験を21種。

ゼーゲル式による釉薬の適合範囲から、
(0.1KNaO-0.9CaO)
(0.2KNaO-0.8CaO)
(0.3KNaO-0.7CaO)
となるように、長石(KNaOを含む)と灰(CaOを含む、今回はメロン灰)の酸化物の成分比率から逆算して、構成比率を算出。

ゼーゲル式の理解には化学の基礎知識が必要で、便利な算出シートなども配布されているけれど、復習も兼ねて、約30年振りに分子量やモル(mol)の計算をする自分用の計算式を作成した。30年前は手計算だったから、大変だったが、計算式を一度作ってしまえば、パターンを変えて計算するのはあっという間に完了する。

基本の構成比率で調合したものとカオリン(2%刻み)、珪石(5%刻み)の3成分で釉薬の試験を行う。

昨年試験した時には、基本の構成比率は(0.3KNaO-0.7CaO)に近い一種のみで、カオリン(2%刻み)、珪石(10%刻み)で行って、よい釉調のものを調合してみたが、焼成温度が低かったのか、前回の焼成では貫入と乳濁が入ってしまった。今回は、試験範囲を広げ、焼成温度を30℃上げてみることにした。

過去に別な釉薬でも想定していた焼成温度(過去に父がやっていた時の温度)で釉薬が熔けなかったことがあったため、焼成温度も上げることにした。

テストピースのための本焼きは、あと5時間還元焼成後、24:00に終了する。
3日後の18日窯出し。

サイクル

立ち止まる→考える→軌道修正

しやせまし、せずやあらましと思ふ事は、おほやうは、せぬはよきなり。
(一つ。やろうか、やめようか迷っていることは、通常やらない方が良い。)
吉田兼好 徒然草 第九十八段

毎年季節が巡るのと同じように、やってくるサイクル。

成形→乾燥→素焼き→施釉→本焼き

この周期の間に、気を遣うこと「丁寧に」「美しく」「大切に」が抜け落ちると好きになれなくなってしまう。

たくさんはできない、いつまでできるかわからない。
今できることを形にしたい。

7月の本焼きは、今までで一番壊滅的だった。

初めて作った磁器の楕円皿の形が良くなくて、ほとんどが撓(たわ)んでしまった。撓む〜の意味のとおり、お皿の腰の部分が高温(1270℃)で焼成した時にしなやかに曲がってしまい、棚板に釉薬が張り付いてしまった。

運が悪いことに、今回は窯の中の温度ムラを調べる目的で、同じお皿ばかりを一度に焼いていたから、全ての段で、棚板に張り付いた釉薬を削ることになった。

素地の変形が原因か、釉薬の調合が原因かは不明ながら、ほとんど全てに貫入(ひび割れ)が入ってしまった。

というわけで、釉薬の調合試験を範囲を広げて再度行うことと、以前他の釉薬でも過去の窯の焼成温度との温度差があったことから、焼成温度を上げることになりました。

8月末には、次回行う釉薬の試験の計算を終え、
21種×3パターン=63個のテストピースの成形をして、夏場に行っている轆轤成形で、ご飯茶碗と煎茶碗を作成、「萌木」と呼んでいた紋様を入れて、表面を削ったりしていた。

9月は夏の疲れが溜まったのか、10月上旬まで思うように作業できない日が続いていた。サイクル、という観点で考えれば、動いていた分、動けない日もやってくるのは当然だけど、動けない日が続くと気持ちが辛くなってくる。

9月に予定していたテストピースなどの素焼きがのびのびになり、そうしているうちに、成形していたご飯茶碗などのアラが目につき、整えているうちにあっという間に寒くなってきた。

そして、11月5日。 久しぶりの素焼き。
スカスカの窯になるかと思っていたら、案外いい具合に埋まっていた。
少し遅めの10時半過ぎにスタートし、22時半過ぎに終了。
色褪せてしまった木の看板を掘り直したり、甘酢を作ったり、満月を眺めながら。 終わってしまえば、たいしたことはない。

次のサイクルへ。

夏から秋の山歩き

8月最終日の山歩き。朝7時の気温は20℃と過ごしやすい日となりました。記憶を辿りながら、振り返ります。

北海道らしからぬ暑い日が続いていましたが、山は着々と秋へ向かって変化していました。花が見られたのは、ダイコンソウ、モミジガサ(シドケ)、イヌトウバナ、ヌスビトハギ、キンミズヒキ、アケボノシュスラン。多くの植物が実から種へと変化して、葉の色も濃い緑から黄緑、黄色、茶色へと移ろう様子が見られました。きのこが多く見られたことからも秋を感じました。

9月は計画していた日に雨が重なってしまい断念することになりました。

来年は、今年とは違うコースで散策する予定。これほど多種多様な美しい自然がこんなに身近にあるとは!来年も楽しみです。

夏の家族イベント

毎年、夏に続いているイベント、BBQ。BBQとは言ってもジンギスカンを中心の炭火焼きに参加者による持ち寄りのお料理が並びます。父方のいとこ、母方のいとこまでの声掛けで、お盆やお正月をまとめたようなちょっとしたイベントとなっている。子ども達も成長が進み、最年少5歳から最年長17歳まで。2年前に我が家の犬が初参加、今年は5か月の犬が初参加とメンバーも毎年少しずつ変化してきている。子ども達が大きくなり、日程調整が大変になっていて、今年は日曜日に開催することになり、土曜日開催だと参加しにくかったという叔父が久しぶりに顔を出してくれたりした。

お肉を炭火で焼くのもいいのですが、持ち寄りのお料理も楽しさを加えてくれて、毎年定番の叔母のシフォンケーキ、妹のいなり寿司など昭和の運動会のようでもある。今年は、いつも和風の惣菜やサラダ、さまざまなおかずを作ってきてくれる家族が来れなくなってしまったので、どんな感じになるかと思いきや、定番ミモザサラダや葉物サラダ、仙台勤務になった家族からの牛タンや、途中からサムギョプサルやトルティーヤ、自家栽培の枝豆なども登場して、賑やかになってきた。我が家では、昨年は焼きたてピザが好評だったので、今年は調子が上がってきた天然酵母パンで、サンドができるようにバーガーバンズとフォカッチャ、くるみパンを準備。いただきものの糠ニシンを使ったマリネ、身欠き鰊の燻製、その他燻製(くるみ、チーズ、鯖ソテー、茹でたまご)に挑戦してみました。ロースターでスペアリブを焼いたりしたので、炭火の方は、ジンギスカンに手をつけることなく、いつもと少し違う感じで終わりました。

例年にない暑い夏もピークを越え、日陰になる裏庭でワイワイと15時から20時までの楽しいひと時を過ごすことができました。年一回だからできる家族イベント、来年また元気に顔を合わすことができることを期待しながら、亡き祖父母が植えた木々と大きく成長した栗の木に囲まれた2025年8月の夏でした。

夏の山歩き

前回の復習をした直後の山歩き。今回は6:30スタート。少しいずつメンバーも増えてきました。暑さを懸念していましたが、山の中は程よく湿っていて、涼しく楽しむことができました。

今回観察した植物

ハイドクソウ(花、ピンク)
ヤブシラミ(種)
水引
ダイコンソウ(花、黄色)
ユキザサ(実)
クルマバソウ(実)
ミツバ(花、白)
オオウバユリ(花、白)
ウマノミツバ(種)
トチバニンジン(実、種)
チジミササ
フタリシズカ(実)
ルイヨウボタン(実、青)
シドケ(蕾、白)
オオダイコンソウ(花、黄色)
ヤブタバコ(蕾)
ハイイヌガヤ(実)
フッキソウ(実)
ヘビイチゴ(実、赤)
ヤブスマソウ(葉)
ノビネチドリ(花の後〜種)
シダ(斑入り)
アマドコロ(実)
水引(赤)
マムシグサ

今回も花は春に比べると少なくなり、実から種になる変化を楽しみながら観察しました。植物が萌え、前回より遊歩道が植物で狭くなっているところもありました。帰りには、メンバー内で鳥を観察したり、森の保水力を感じたり、爽快な朝を満喫してきました。