本命の窯出し(緋襷)

本焼きが終わった緋襷の菱形向付が25個びっちり入った窯を開けてみました。

ぱっと見た感じでは、上段はいい感じ。ひとつずつ灰になった藁を取りながら、器の表情が現れてくるのは、なんとも言えない楽しさです。これが、あまりうまくいってなければ、哀しくなってくる作業でもあります。

焼き上がった器
灰になった藁を袋の中に落としていきます
裏面も落とします
藁を落としてそれぞれの表情が現れました
意図した感じで仕上がるのは極僅かです
側面に藁の筋が残っています
これから、高台(底)を磨いて滑らかにします

緋襷の藁巻き作業〈忘備録〉

2016年に制作してから、4年ぶりの制作となった今回の緋襷菱形向付。

3か月の猶予をいただいて、6月は粘土の調整、そして、やっと7月に入ってから成形作業が始まりました。

久しぶりということに加え、使用する粘土(30年以上前に父が採掘し、調合した北海道の美蔓(びまん)地区の粘土をベースに江差の丸山陶石を加えたもの,MS21)のストックがギリギリだったので、市販の備前土で成形の練習をしてから、MS21で成形を始めることにしました。

心配していた亀裂もほとんどなく、なんとか素焼きが無事に終わって、緋色をだすために、稲藁を巻く作業に入ります。

藁を柔らかくするため、2日ほど前にお湯に浸しておく。
稲藁を揃える
稲藁をクロスさせて、タコ糸で止める。
余計な部分をカットする。
あまり高くなり過ぎないようにする。
窯に詰めたところ。藁が窯の電熱線に付かないように、周りに枠をして焼成します。

今回は、強力な助っ人さんが来てくださって、作業をしながら、これはこうした方がいいんじゃない?などと、改良しながら、作業が進んでいきました。

普段一人で作業をすることがほとんどなので、新鮮な藁巻き作業となりました。

素焼き前〈緋襷菱形向付〉

乾燥後に口と高台をやすりで滑らかにして、素焼き前の最後の処理。力を入れ過ぎると欠けたり割れたりしてしまうので、微妙な力加減で進めていきます。無事完成することを祈りながら…
いろいろに使える菱形向付です。

菱形向付の成形

菱形向付は、断熱材として使われるスタイロフォームという建材を加工して型を作って、内型成形という技法で制作しています。

1.たたら(粘土を板状にしたもの)を内型にのせて、トントンと叩いて粘土を締める。
2.高台部分は、より(粘土を紐状にしたもの)を後付けする。
3.接着部分を滑らかにする。
4.全体的に滑らかにする。
5.高さを揃えてカットする。
6.高台の高さを揃えてカットする。
7.高台の型をはずして、接合部分の隙間を押さえる。
8.最後に判を押す。
9.乾燥時に内側に反りやすい部分を外側に拡げてゆっくり乾燥させる。
10.少し固くなったところで、口と高台をきれいにカットして成形完了。

上記は、2016年9月に開催した「長沼の食を愉しむ」という器と食のイベントの際に作った時のものです。

長沼町の4軒のごだわりの農家さんの食材を使って、発酵料理研究家の筒渕信子さんに作ってもらい、器(父・岩井孝道と娘・池上ふくみ)とともに愉しむイベント。ダイニングテーブルや椅子はKen’s Wood Workingの都築謙司さん、お花は創MAOIの佐藤弘子さんはじめ、多くの方々のご協力で素敵なイベントになりました。

菱形向付の成形が終わりました

5月に注文を受けて、久しぶりの制作ということもあって、3か月の猶予をいただきました。5月は主に粘土の硬さの調整と寝かしをし、残量の少ない粘土の替わりに別な粘土で試作を作り、慣れてきた頃にはもう7月。

しかも、じめじめした天気のせいか、6月末は体調が優れず、朝の動きが悪かったので、1日に作業する時間が4時間くらいとなかなか進まないうちに、ちょっと焦りが出てきました。

それでも注文数の倍くらいを成形して、今日、すべての仕上げが終わり乾燥に入ることができました。

なるべく重さが一定になるように計測しながら成形
中央に高台の木型を置くようにガイドをつけています
見本の器に農家のお友達が持ってきてくれた初物の焼き茄子を盛り付けてみました